IHIヨット部について、ヨット経験者からの視点で語ってみます。
プロフィール
・1971年生まれ
・ヨット暦 小学3年生からディンギーをはじめる。
大学からクルーザーサークルに所属。
会社にはいってしばらくしてからIHIヨット部に入部
2005Platu Cold Cup(イタリア参戦)、Platu Club事務局長。
・あなたにとってのヨットの魅力は?
また、この年になってくると、なかなかプライベートで自分がなにかやり遂げたという達成感を感じる事って少ないと思うんです。
あるレースを目標に一生懸命練習してシリーズレースとかで勝ったときの達成感。おいしいお酒が飲める瞬間でもあります(笑)。
また、その点ヨットはある意味危険を伴うスポーツ。ディンギーでは味わえませんが、クルーザーなら、ロングレースに出て島を回って帰ってきたときの達成感。なかなか感じられないと思います。
特に荒れた海から無事に帰ってきただけで言葉には言い表せない達成感がありますね。
忘年会とかをするときに「何が一番心に残ったか?」という質問をすると、「ロングレース」と答える人がほとんどですしね。
みんなMですかね(笑)?
もちろん天気が良いときは最高に気持ちよいです。オーバーナイトだったら、満天の星空と夜光虫に
$FILE7_l(星空!)
ムーンリバー。
言葉では言い表せません。
また、ヨットによって仕事を超えた人脈ができる事があげられます。これはお金では買えないことだと思っています。もちろん国籍も関係ありません。
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たとえば私はPlatu Clubの立ち上げに積極的にかかわりましたが、これによりPlatuのオーナーたちに人脈ができました。仕事ではかかわりのない会社の人、職種の人などです。
そういう方たちと話をするのはとても面白いし自分のためにもなります。また、私の場合は、人脈だけで、イタリアのヨットレースに出場できましたし。
人とのつながりを買われて飛行機代等は負担するのでヨットレースに出ないかといわれた事もあり、これは、本当にありがたいことだと思っています。
仕事やお金とは無縁の人間関係。これは得がたい財産だと思います。
また、その築いた人間関係によって強いチームに乗せてもらえる様になっていろいろと勉強もできます。
・ヨットレースの魅力は?
私の場合あまり勝ち負けにはこだわりがなくて。。。もちろん勝てればうれしいですが、ヨットを楽しむひとつの手段ですかね。また、レースにでて相手と競うことでヨットのスキルをあげるモチベーションになります。そうしてヨットに乗っていくのがうまくなるのが魅力ですね。
・あなたにとってのIHIヨット部の魅力は?
IHIの様な大きな会社だと、他の事業部がなにをやっているのかよくわからないし、仕事上のつながりもない。せっかく同じ会社に入ったのにです。
ヨット部に入ったことで、仕事がまったく関係ないほかの事業部の方や、OBの方を含めていろいろな人のつながりができました。特にIHIだと江ノ島にはOBの方が船を持っていて昔の話や、いまの偉い人たちの若かりし頃などが聞けて面白い。
また、ディンギーとクルーザー両方に乗れて月に4000円の会費でやっていけるというのは聞いた事がありません。
$FILE6_l $FILE8_l(Platu25)
これは、会社のヨット部ならでは。会社の補助もあるし、給料天引きなのでいわゆる共同オーナーよりはお金としても基盤がしっかりしているほうだと思います。
クルーザーは特に江ノ島においている事が強い。相模湾でクルーザーをやっている人はわかりますが、置き場代は逗子マリーナや葉山マリーナの半分以下ですからね。
レースばかりでなく、クルージングもバランスよく実施しているのも特色かなとおもいます。
クルージングばかりとかレースばかりしているチームもありますが、ヨット部はレースに主眼をおきながらも、季節の良い時期には、クルージングを相当してます。
詳しくは過去の活動報告を見てください。また、クルージングばかりだと飽きてしまうし、ヨットの腕も磨かれない。ヨットレースをして腕をみがいて、安全にクルージングをするということで、バランス良く活動することが大切かなと思います。
また、ヨット部は部費を払っていれば部員になれて、ちゃんとスキルがあれば艇長になれるし、そうなることを目標にもしてます。これは、オーナースキッパーが絶対のチームではできない事だと思います。そういうチームではいくらうまくなってもクルーはクルーのまま。でもIHIヨット部は部費を払っている以上みんなオーナーです。あとは、船舶免許とヨットの技術があれば自分でゲストを呼んでクルージングもできる。これは魅力だと思います。
それに、いま使っているPlatuという船についていえば、これは、ヨーロッパで盛んな船。また、Platuに関しては国内は当然ですし、イタリアやドイツ等にある程度つながりもあるので海外のレースに参加したい場合は参加できます。ま、私程度の腕でもワールドに行ってしまったくらいですから(笑)。
また、先日20回を迎える初島WハンドヨットレースでPHRF C Classで準優勝をしました。小型艇ですが、ちゃんと走らせれば大型艇にも負けずに走っていける船だと思います。乗り手の技量次第でちゃんと走る良い船だと思いますよ。
初島Wハンドの報告その1
初島Wハンドの報告その2
会社の部活動というといろいろと制約が激しくて思った活動ができないと思われるかもしれませんが、そこは意外と自由にやらせてもらってます。
経験者でもちゃんとレースもできるしクルージングも楽しめて、自分で船を出せるという貴重なチームだとおもいますよ。
これはIHIグループに入っている大きな特典ですね。
・ヨットをやってていままでで一番印象に残ったことは?
やはり海外ヨットレースですかね。
2回ほど経験がありますが、1回目はアメリカのアナポリスにて。
ここで現地のヨットクラブに行って、いろんな船に「乗せてください」って頼み込んで。結構断られましたがめげずに頑張ったら、乗せてくれる船があって、地元の草レースにでました。パーティ代も奢ってもらってよい思い出になりした。
もう一回はイタリアのPlatuのWorldにでました。
Platu Clubの事務局をしていた関係で、イタリアのPlatuのレースに出ないかというお誘いのメールがきて、日本のチームに連絡したところ、出るチームがいて、そのチームにお邪魔させてもらいました。
イタリアのサルディニア島というところでやったのですが、
場所は最高。海は綺麗だし、ハーバーの設備もばっちり。なにより景色がよくって気候もよい。ご飯もおいしかったし、泊まった所も最高。
一緒にいったチームも素晴らしかったので本当に楽しむ事ができました。
何より一番の収穫は、イタリアの人たちに歓迎してもらえたこと。
「You are most famous Japanese in Porto Rotondo!」(Porto Rotondoは地名)
と言ってもらえた時は嬉しかったですね。
いろいろな準備を通じてイタリアのクラス協会のpresidentの人とやりとりをしましたが、その中でできるだけあちらに協力して物事を進めていくと、思わぬ所で帰ってくるんだなぁという事を実感しましたし、ヨットを通じて国を越えての人間関係ができるということを身を持って実感しました。これは一生の宝物だと思っています。
また、これは、Platuの世界選手権ならではです。
人のつながりが出来ていたのと、予選もなかったし(笑)。
Platuに乗っていて、ラッキーだったと思います。
もしやる気がある人がいれば、世界選手権にでるのも夢ではありませんよ。