How to Sail
Lesson0-extra
離岸・着岸
マリーナの外に出すためにはもちろん離岸して、帰ってきたら着岸しなくちゃなりません。実は離岸、着岸は普通にセーリングする以上に危ないです。だって、岸壁はあるし、他の船はいるしで、ぶつかる危険があるってことですから。けっこう舵をもっている人は注意を払って離岸、着岸するものです。まず離着岸する前に、船の係留方法ですが、たいてい、前と後ろに綱(もやいといいます)を取って岸壁につなぎます。岸壁に船がもろにあたると傷ついたり壊れたりするので、フェンダーなるクッションをいれて船を保護します。
離岸、着岸するときの注意点としては、まず
落ちない
挟まれない
事です。夏だったらまだしも、冬に海に落ちたらかなり悲しいものがあります。岸壁から船に移ったり、船から岸壁に移ったりするときに結構落っこちるものですので注意。また、岸壁と船の間に手を挟まれたりすることがあります。怪我すると大変なので。また、船の全体の動きをみて、
ぶつけない
ようにするのも大切です。船は風によって結構流されるので、まず気をつけてほしいのが風向きです。
理想的な着岸は、Aの絵にあるように、風上に向かっていって、Bのときに、前いる人が岸壁に乗り移ってつないでおけば、そのあと、後ろの方の人が岸壁に乗り移って船をつなげばいいということになります。
Bの図は、風が後ろから来ている場合です。そのときに、Aの図とおなじく、前にいる人が岸壁に乗り移ったとしても、後ろの人は、まだ、岸壁と船に間があるため、岸壁に行く事ができません。前だけもやいをとっても後ろからの風にあおられて、船の向きが変わってほかの船にぶつかることになりかねない事になります。
そこで基本ですが、もやいを取るのは風上からです。Cの図は風が後ろから来ているときを想定してますが、まずもやいの準備をしたら、岸壁との距離が1番近くなる前の方に前のもやいの担当と、後ろのもやいの担当の人がいきます。後ろのもやいのひとは、もやいロープの端を船にちゃんと止めて持ってきます。そこで、船と岸壁の距離が近づいたときに、岸壁に乗り移って素早く岸壁を移動して、風上の方にいきます。まあ、もやいを持って岸壁に移るのも危ないので、3人以上人がいたら、まず、もやいを持たずに人が乗り移って後ろの方に人がスタンバイしていて先に乗り移った人にもやいを投げて渡してもいいです。
最後に離岸ですが、これは、もやいを外すのは、風下からということになります。風上を先に外すと、着岸のときと同じく、風であおられて船の向きが逆になってしまう事があるからです。また、船はなかなか小回りがききませんので、みんなで協力して離岸・着岸するようにしてください。
次に、横から風が吹いているときに、桟橋に着ける場合を想定してます。
当然横から風が吹いていると、船は横の方向に流されます。それと同時に、バウのほうが風下に流されます。
そこで実際に曲がりながら桟橋に着ける場合ですが、まず基本的にできるだけ大回りをして船を着けてください。そうすることで、風に多少吹かれて流されても修正ができます。
また、その際クルーは、前後のもやいとフェンダーを用意して、一人は、桟橋と逆の柱の方を注意して、二人は、前後のもやいを準備して、できるだけ桟橋と接近するところに行ってなるべく早く桟橋に移ってもやいをするようにします。
次に離岸の時ですが、結構バックで離岸しなくてはならない場合が多いと思いますが、船を後ろに進める時の注意点をあげてみます。舵の軸をから垂直に延長線を延ばしてみると、軸の後ろの方が面積が大きくて、前の方が面積が小さいのがわかります。
一方、舵を効かせるためには、当然舵に水流があたる必要があります。難しくいうと、舵の向きにより、水の流れの圧力の差が生じて圧力の低いほうに力が発生するってことになりますけど、それはともかく、当たり前ですが、舵に水の流れがないと、舵は効かないです。また、注意点としては、舵の面積は、舵の軸より後ろの方が面積が大きいので、船が前進しているときは、舵はまっすぐになる方向に回転する力が発生します。一方、後進しているときには、回している舵をさらに回す方向に力が加わります。なので、バックするときは、舵をしっかり握ってないと、ちょっと曲げるつもりが一気に曲がって行く事になるので、バックの時は、あまりスピードを出さないほうが無難です。
また、船外機と、船内機の違いですが、船内機は、舵の前にプロペラがあるのでプロペラを前進方向に回せば、舵に水の流れが当たるため、舵効きがよいです。ただし、後進の時には、プロペラの水流が舵に当たりませんので、船の動くスピードでしか、舵に水流が当たらないので、舵効きは悪くなります。
船外機は、前進にしようが、後進にしようが、舵にはプロペラの水流があたらずに、船のスピードでしか水流を舵が受けないので、方向を変えずに使うのでは、船内機よりたちがわるいです。ただし、通常、船外機は、それ自体の方向を変える事ができるため、舵に水流があたらなくても、右や左に曲がる事ができます。ただし、PLATUの場合、船外機の方向を変えることができないので、注意が必要です。船外機が動く場合でも、もちろん舵とシンクロしてないと、舵効きは半減するので、舵の動きとシンクロさせて動かします。一人で舵と船外機の両方をコントロールするのは難しいので、できるだけ二人で操作するようにして下さい。
まず、岸壁からそのままバックで離岸する場合ですが、その場合、後ろの方を手or足で、岸壁を押してスターンを離します。一方バウは、船が岸壁に当たらない様に注意しながら、スターンがあまり離れていないようだったら、バウを引いて船を回します。ちゃんと出れそうなところまでまわったら、船に乗り移ります。
次にバースに頭から入っていて、横向きから風を受けているときに船が風上方向に出る場合ですが、バックで出なくてはならないので、なかなか 難しいです。まず、左右とも分担して桟橋とか、柱にぶつからないように注意します。バックで出る際には、スターンを風上側に持って行ってそのままでるか、スターンを風下側にして一度切り替えしてでるのかの2パターンがあります。風が強い時には、船内機では、バックの舵効きが悪いので、風上方向にスターンから出るのは難しいでしょう。そんな時は、切り返してから出るのがオススメです。ただし、バウのもやいをちゃんともって、ある程度船の向きが風上を向いた状態にしてからバウの舫いを外さないと、船が回りきらないときに、バウが風下に振られて、出れなくなってしまいます。どっち方向に流れそうか良く見てもやいを放すタイミングを見なくてはなりません。